北島仏壇

 江戸時代は寛政六年(十一代徳川家斉の頃)、今から二百年前に湊屋村次郎は生まれました。彼は物心ついた頃から仏壇造りの職人になるべく修行を重ね、晩年までには、木地・金具・彫刻・漆塗り・金箔押しと、すべての工程を修得し、唯一、一人で仏壇を造ることができる職人として名声を高めました。
彼の仏壇造りに対するあく無き追求の思いはそれだけではとどまらず、奥州平泉、鎌倉、尾張、京の地場産業の見聞により、自らの仏壇造りの技法研究に情熱を燃やしたといわれています。その結果、平泉の螺鈿細工、鎌倉彫りを応用した堆黒、京の寺院の朱塗りなどの技法を巧みに採り入れ、極めて精緻ながら、堅牢、かつ荘厳、華麗な美川仏壇を完成させ、その名を後世に残しました。
 彼の数々の技法の中でも特に「堆黒」は伝統文化的希少価値が非常に高く、全国の仏壇産地でもその例はなく、唯一、美川仏壇の職人達によって頑に守り続けられています。

    須弥壇=美川堆黒  来迎柱=美川堆黒
およそ150〜160年前から永々と受け継がれ、今も使われている貴重な彫刻の原版。唐草や花鳥、人物、鞘型模様などが精緻に彫られている。


稀少伝統技法「美川堆黒」の製造工程
ニカワと下地漆を固形になるまで丹念に素手で練り合わせ、それを上板の上で1mmの厚さになるまで丸太棒でムラなく平らに伸ばして漆の生地を作ります。
模様が彫刻された原版の上に漆の生地を敷き、約20分素足の裏で充分に踏み続け、その図柄の型を起こします。
下地漆とノリを混ぜ合わせたハンダを接着剤として白木に塗り付けます。
ハンダ付きの白木に仕上がった漆の型を張り付けます。
漆をムラ無く素早くハケで塗ります。
上塗り後、良質の金箔押しを施して「堆黒」の完成です。写真は来迎柱の工程例です。他、須弥壇にも堆黒は施されています。





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北島仏壇店

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