北島仏壇


 美川仏壇最大の特徴、それは100年、200年耐え得る「堅さ」にあります。荘厳華麗な完成品の仕上がり工程の裏には地味な作業ながらも決して欠かせない「下地付け」の作業があります。優美な日本伝統美である漆を生かすも殺すもこの「下地付け」作業にかかっており、美川仏壇では輪島塗りと同一技法の「錆付け」を伝統的に行っています。

 昔から受け継がれてきた美川仏壇独特の「本堅地錆付け」は、白木地に専用のヘラを使い丹念に巧みに錆付けを施していきます。錆を付けては乾かす工程を4回以上に渡って繰り返します。
 他産地では例を見ないこの技法の特徴は、下地に、地の粉、砥の粉、米糊、下地漆を混ぜた錆を用いているため、製品は湿気に強く、非常に堅固な完成品に仕上がるわけです。たとえ、湯につけて煤出しを行っても他産地のように漆がすべて剥げ落ちることはありません。
「美川仏壇は日本一堅牢無比」といわれる所以がまさに、この伝統の裏技にあるのです。

精魂込めて丹念に混ぜ合わせること約50分。先ずは
「本堅地」を作り上げるところから作業は始まります。

法板(250代)に最初の本堅地を付けるところ

見付板(250代)に本堅地が手早く均一に塗り付けられる。乾燥後、二度、三度付けられた後は、さらに錆付けが施され、堅い製品仕上げになっていく。



天然の素材で調合される秘伝
「本堅地」の手造りを公開。
自家製の米のりに下地漆を混ぜます。
次に砥の粉を混ぜ合わせます。
さらに地の粉を混ぜ合わせます。
およそ1時間弱かけて本堅地の完成。

見付板に最初の本堅地付け作業

戸板内側に錆付けの作業

工房内、下地〜呂色磨き作業
展示完成品を見ただけでは、その仏壇が「どこの産地」なのか、伝統工芸で「を手造りしたものか」見分けることは大変難しいことです。
まずは、職人たちが働く工房をご覧ください。そこでは、木地、下地塗り、漆塗り、箔押し、呂色、研ぎ出し、金具、蒔絵などの各工程で働く職人の姿と、素材、材質、技法等をご確認いただけます。



主にイチョウやヒバを木地材として使い、約半年間ほど充分に乾燥させます。
ひとつひとつの部品が、頑丈さと入念さで定評のホゾ組立てで仕上げられています。
荘厳な寺院をそのままに表現して作られます。各宗教・宗派によって宮殿の形、来迎柱の本数も異なります。
仏壇内部の須弥段、天女、龍、流れ雲などを20種類の特殊な彫刻刀を使い分けて入念に細工されます。
美川仏壇の最大の特徴である錆付けは、下地漆と砥の粉を混ぜ合わせたものを白木に最低4回繰り返してヘラ付けします。
錆研ぎ、中塗り、中塗り炭研ぎ、濃中塗り、濃中塗り研ぎの各工程があります。
部品数は約1200個あり、下地塗り、水研ぎ、空石磨き、朱葡止めの工程を一つ一つ手塗りで仕上げていきます。
宮殿部分は泥地仕様(ニカワと砥の粉を混ぜ合わせたもの)になります。
「美川堆黒」の技法は、およそ二十人の職人たちが、一日費やしても数本しか生産できず、また、一年の内、気温と湿度の影響から春と秋の温暖な気候の時節でのみ造ることができる希少な技法です。
漆の吸い込みを防ぎ、上塗りの光沢を醸し出します。
埃が表面に付着しないように素早く塗り、ムロの中に1〜2日入れ、漆を自然乾燥します。
戸裏や障子、中下の輪、下段板、戸板の輪などに施されます。(青貝・ねごろ・あけぼの・三色虫喰い研ぎ出し等)
金箔を施す箇所なので呂色研ぎをした後、木漆を5回摺り込み、艶の出るまで磨きます。
仏壇の随所に使用される金具は真鍮の鈑金でタガネ、ヤスリ等を用いて造るすべて手打ち技法です。
国内99%の生産を誇る良質の金沢金箔を使用しています。
全国で唯一石川県が象牙入人物蒔絵仏壇を製造しています。各宗教・宗派によって絵柄が異なります。
釘を使わない手作業によるホゾ組み立て仕上げです。完成後も分解、組立てが可能ですから、すす洗いも容易です。


見えない部分に手間を惜しまない




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北島仏壇店

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