来迎図は、臨終の際に阿弥陀如来など聖衆〈しょうじゅ〉が眼前に現れ、極楽浄土に迎えるという『観無量寿経〈かんむりょうじゅきょう〉』に説く情景を描くもので、浄土信仰の興隆とともに制作され、平安時代に正面坐像系・斜め坐像系が、鎌倉時代に能動的な如来の姿として立像系来迎図が登場、普及してきた。来迎する二十五人の菩薩が湧雲(ゆううん)に乗り、立像の阿弥陀如来を囲んでいる様が描かれている。阿弥陀如来にすがる当時の人々の様子がしのばれる。
末法の世のはじまりとされた平安時代につくられた即成院の本尊である阿弥陀如来と二十五菩薩は、功徳が大きくなることを願った浄土信仰をよくあらわしていると言われているが、阿弥陀如来に救っていただいて浄土にいくことが、当時の人々の切なる願いでした。臨終に際して往生者のもとへ阿弥陀如来は二十五菩薩とともに迎えに来て、極楽浄土に導いてくれます。蓮台(れんだい)を捧げた観音菩薩と、合掌する勢至(せいし)菩薩を先頭にし、光明(こうみょう)を放って、極楽往生を喜び奏楽(そうがく)する多くの菩薩を従え、来迎する阿弥陀如来の一行を描いている。
阿弥陀来迎の時には、光(弥陀からの金色の光)・香(薫香)・妙音(菩薩の奏でる天上の音楽)の三つの奇跡が現れると信じられていた。
阿弥陀如来とともに来迎する二十五菩薩とは観(世)音、勢至、薬王、薬上、普賢、法自在王、獅子吼、陀羅尼、虚空蔵、徳蔵、宝蔵、金光蔵、金剛蔵、光明王、山海慧、華厳王、衆宝王、月光王、日照王、三昧王、定自在王、大自在王、白象王、大威徳王、無辺身の各菩薩である。
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梨地を蒔き終えた状態の戸板4枚セット
(進捗率30%)
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