白木の木地に下地塗り(錆付け、または泥地塗り)をする前工程には、白木部材のつなぎ部分の切れ目や凹凸部分に和紙を貼る「紙貼り」、という手の抜けない地味なこだわり作業があります。この紙貼りを施すことで木地の収縮を押さえ、また、木地を滑らかな平面に修復します。
この紙貼り作業に使う「のり」にも伝統的な独自のこだわりがあります。市販のりには防腐剤が入っており、弱く長持ちしにくいので、独自に米の粉を炊き、漆を混ぜ調合して作り上げた、昔からの手作り「米のり」を使っています。
「米のり」は湿気にも強く長持ちし、和紙を貼る接着剤にはうってつけなのです。
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