北島仏壇


白木の木地に下地塗り(錆付け、または泥地塗り)をする前工程には、白木部材のつなぎ部分の切れ目や凹凸部分に和紙を貼る「紙貼り」、という手の抜けない地味なこだわり作業があります。この紙貼りを施すことで木地の収縮を押さえ、また、木地を滑らかな平面に修復します。

この紙貼り作業に使う「のり」にも伝統的な独自のこだわりがあります。市販のりには防腐剤が入っており、弱く長持ちしにくいので、独自に米の粉を炊き、漆を混ぜ調合して作り上げた、昔からの手作り「米のり」を使っています。
「米のり」は湿気にも強く長持ちし、和紙を貼る接着剤にはうってつけなのです。

高欄白木に紙貼り、そしてペーパーあて(磨き)

自家製「米のり」を付けて和紙を白木に貼る紙貼りの作業

所々に紙貼りが丁寧に施されている屋根部分


↑宮殿木地70代        

宮殿(くうでん)の部品数は約1200個もあり、
とても細かく根気のいる手作業です。
1.白木に紙貼り

2.ペーパーあて(磨き)

3.泥地塗り(4回)
ニカワと砥の粉を練り混ぜ合わせた「泥地」(どろじ)を作り、白木に塗ります。手間と時間を掛け4回塗り重ねます。

4.(粗石で)水研ぎ

5.カラ石あて(磨き)

6.柿渋塗り

7.漆塗り

8.金箔張り

9.組み立て

ニカワと砥の粉を練り混ぜ合わせた「泥地」(どろじ)を作り、手間と時間を掛け部品一個一個に4回塗り重ねます。

1回目の泥地が塗られた屋根部分

3回目の泥地が塗られた宮殿部分

泥地塗りを終え、乾燥後、粗石で水研ぎの作業

水研ぎ後、カラ石で丹念に磨く手作業
宮殿白木に施された紙貼り

宮殿白木に紙貼り、
そしてペーパーあて(磨き)

ズラリと並ぶ屋根裏部分の
垂木(たるき)部材

泥地が塗られた組物

瓦の先端部分に付けられる鉄砲と呼ばれる部材にも一個一個泥地が丁寧に4回も塗られる

宮殿部材を粗石で水研ぎの作業

水研ぎ後、漆が塗りやすいようにカラ石で
つるつるに磨き上げる


数々のカラ石
 水研ぎ用の粗石(水研ぎ石)

泥地仕上げの最終行程です。
漆を塗っても木地に染み込まない
ように、丁寧に「柿渋」を塗り込めます。
ここでも自然の素材「柿渋」に
こだわります。
この後、天然漆塗りの工程に進みます。
カラ石で磨き上げた後は、宮殿部分の柿渋塗り


大柱の蒔絵、青貝細工を研ぎ出す炭研ぎ出し作業










4枚の戸裏縁、框部分に惜しみもなく研ぎ出しの技法が施されます。(画像は品名:村次郎200代)

秘伝「金ムロ研ぎ出し」の
制作工程を一部公開します。

1.中塗り

2.箔下漆塗り

3.もみ柄をのせる

4.乾燥

5.もみ柄を取る

6.箔下漆塗り

7.金箔2回押し

8.透き漆2回塗り

9.炭研ぎ出し

10.呂色磨き
戸裏縁の框部分に、美川仏壇特異の絵柄模様が趣豊かに
見事なまで表現された「金ムロ研ぎ出し」の完成品


↑箔下漆塗り後、もみ柄をのせます。
充分に乾燥後、もみ柄を外します。→
その痕に残る凹凸の絵柄模様を
デザインとして利用します。

↑もみ柄痕の凹凸部分に箔下漆を
丁寧に塗り込みます。
金箔は厚めに2回押します。→

↑凹部分にもしっかりと丁寧に、
金箔を押していきます。

↑金箔の上に透き漆が塗られた戸裏縁の框部分

↑炭研ぎ出しの作業がスタート

↑炭研ぎ出しが進むにつれ、凸部分の下地の黒漆が
徐々に見えてきます

↑やがてモミ柄痕の凹部分は赤みを帯びた不思議な
黄金色に映え上がってきます。
1本の炭研ぎ出しにおよそ1時間を要しますので、
戸板4枚に計8本、丸一日は掛かります。

最後の工程にて、呂色磨きを丹念に施し、最終仕上げを行ないます。




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